≪ 特殊神事 結鎮祭 ≫ 宮座渡御神事
当社には、古くから氏子の宮座として「結鎮座」(けっちんざ)があり、現在も継承されています。
宮座は神社に奉仕し、祭礼を執り行ってきた集団で、座の組織や年中行事などを記した「結鎮座文書」(県指定文化財)が伝わり、村の構造や宮座の構成を知る貴重な史料として知られています。
なかでも宮座へ加わる人々の名前を記した「座衆帳」は鎌倉時代の建久7年(1196)から慶応2年(1866)まで、670年書き継がれたもので、民間の宮座記録ではもっとも古いものといわれ、ほかにも「座衆経営録」や「経営古記」など、中世の文書が多数伝わっています。
この宮座の伝統行事として毎年1月26日に行われるのが渡御行事で、宮座の上十人衆が輪番で勤める頭屋宅に、鹿島神社の御神霊を迎える行事です。
中世に比べて規模こそ縮小されたものの、行事が年齢順に序列をつける年齢階梯制を残して行われること、神霊を頭屋宅でお迎えすること、神饌が古式を残していること、神主役の「一老」が読み上げる祭文が伝わることなど、中世の宮座の内容をよく残しており、香芝市の無形民俗文化財となっています。